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2014.04.18 Friday

ベートーベン:ピアノソナタ第24番 嬰ヘ長調 op.78

1ヶ月以上先のことですが, 知人が開催するサロンコンサートで「ベートーベン:ピアノソナタ第24番 嬰ヘ長調 op.78」を演奏することになりました。

この曲は全2楽章からなるコンパクトなソナタで,繰り返しなしで弾くと10分かかりません。 とはいえ,メカニズム的にはゴマカシがほとんど効かなく, その人が持っている技量・音楽性が露呈される可能性が高いです。 つまり「演奏時間が短く,その人の演奏能力が現れる」ということで, コンクールの課題曲になることもしばしばあります。

だからといって, そういう学習向けの範疇に留まらせるにはあまりにももったいないくらい魅力的な曲なので, コンサートという場で弾いてみようと思ったのです。

コンクールや試験の採点なんか関係ないからといって, 何も考えずに好き勝手弾くのも気が引けるので, ちょっと譜面を見渡してみたわけですが, 第1楽章提示部でイキナリ,解らん箇所が登場しました。

B24H

第25,26小節のところです。 もともとは嬰ヘ長調(Fis-dur)ですが, ここは第2主題で属調(嬰ハ長調,Cis-dur)になっています。 下段は「ナポリ調のV和音」と見なすことができますが, 上段はFisisがあるので,おそらく重属和音(V度調のV和音,ドッペルドミナント)と考えられます。 つまり,上段と下段(この場合は右手と左手)で,鳴らしている和音が違うのです。

和音が違うといっても, 鍵盤上では「Fisis=G」ですから, 気にしなければそれまでなのですが, 和音の種類を考えると,どう考えて表現すべきか迷ってしまうのです。

これはヘンレ版の楽譜ですが,初版を見てみても・・・

B24F1 B24F2
(初版)

のように,FisisとGが使い分けられています。 実際の手稿譜でも・・・

B24O
(手稿譜)

のように同様です。 ところが,ブライトコフやドーバーを見ると・・・

B24B
(ブライトコフ)

B24D
(ドーバー)

のように,GがFisisに編集されて(書き換えられて)います。 以前,練習に使っていたペータース(アラウ)版は「原典」ということだったのですが,

B24P
(ペータース:アラウ)

となっていて,全音でも

B24Z
(全音)

となっています。

確かに,上下段ともFisisであれば, ここは「重属和音の下方変位」で決まりなので, 表現にここまで悩むことはないのですが, 手稿譜でGとなっている以上, ここにはそうなっている理由があるのでしょう。

前半のたった2小節でこれだけ時間を費やすのですから,先は長そうです。 間に合うかな・・・


12:00 | 投稿者:スナフ|一般記事 | comments(1) | - | - | - |
2014.04.16 Wednesday

バッハ 再び

1年以上前にもバッハ関連のことを書いていたのですね・・・

いろんな作曲家の音楽を奏でてきたつもりですが, 1人の人間が一生の間に演奏できる曲数なんて, 音楽全体から見れば微々たるものです。 ですので,後悔しない選曲をしたいものです。

中学/高校生や大学生の頃は, ショパンやリストのような華やかなものに惹かれました。 昨年は印象派の音楽にも手を付けたりして・・・

それが最近,バロックや古典派の作品に戻ってきました。 古典はともかく,バロックといっても「対位法の曲」なので,当時の流行からは遅れたものですが・・・

話には聞いていましたが,やはりここに戻ってくるのでしょうか。

「バッハ;平均律」と「ベートーベン:ソナタ」

それぞれ,ピアノ音楽における「旧約聖書」と「新約聖書」と呼ばれているものです。


12:00 | 投稿者:スナフ|一般記事 | comments(0) | - | - | - |
2012.11.05 Monday

基本はバッハ

すっかり更新を怠ってしまいました。 約1年ぶりです。

最近主に練習していたのは「バッハ」の作品でして, つまるところ,対位法の曲をしっかりやっておこうと思ったのです。

世間で演奏されることの多い,ベートーベンなどの古典派や, ショパン,リストなどのロマン派の作品のほとんどは「和声法」に基づいて作曲されています。 この類の曲では,音の縦のつながり(和音),ベース音が音楽の流れを決定しています。 「メロディー+伴奏」のホモフォニーになっているところが多く, つまり,メロディーとベース音がちゃんとしていれば,それっぽく聞こえます。

対位法の作品の場合,同時進行している複数の旋律は原則的に対等で, テーマ(モチーフ)がホンの少しだけ出しゃばる感じです。 ですので,同時進行している複数の旋律を聴き分け,音量の配分や音色に気を配ることが必要になります。

バッハの作品の多くは対位法に基づいて作られていますが, 和声法の要素も少なくありません。

調性の変わり目(転調)も同様に重要となります。 ですから,旋律が進行している最中でも調の変わり目を意識する必要があります。 それまでの調性には存在しない(和声)音が登場するところです。 もちろん,これは古典派以降の(調性)音楽でも同じですけど。

・・・こんな感じでウダウダ練習していたのです。

古典派以降の作品でも,ちょっと凝った曲になると, 大抵対位法の要素も混じっていて, そういうところをちゃんと聴き分け,それぞれのラインを適切に表現する必要があるので, バッハを練習しておこうと思ったのです。

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08:00 | 投稿者:スナフ|一般記事 | comments(0) | - | - | - |
2011.11.09 Wednesday

リスト:スペイン狂詩曲

すっかり更新を怠ってしまいました. 約半年ぶりです. 前回が5月下旬で,これまでの間,全く音楽活動をしていなかったわけでもないので, 公の場で演奏した曲について書こうかと思います.

6月の演奏会で弾いたのは,1つ前の記事にある「リスト:孤独の中の神の祝福」で, まあ,なんとか無事に演奏を終えました. この曲は,前半さえ何とか乗り切れば,メカニズム的にきつくなるところはほとんどないので, 表現することに専念できました. 楽器がベーゼンドルファーで,以前ちょっと苦手意識があったのですが, 派手な曲ではないので,特に問題ありませんでした.

つい前日まで,大きな演奏イベントがあり, そこで「グラナドス:組曲『ゴイェスカス』,全6曲+わら人形」を弾くつもりでいたので, 9月の演奏イベントでは,その中の1つ「第5曲:愛と死」を弾きました. あまり練習時間を確保できなかったためか, 本番,足が地に着いてない感じがしてフラフラして,結構音を外しました. ベース音を外すと響きが大きく壊れてしまうのですが,やらかした感が強かったです.

11月の『ゴイェスカス』ですが,他にも弾く曲があり, 結局準備がままならないということで, 急遽変更せざるを得ませんでした. で,何にしたかというと・・・

ベートーベン:ピアノソナタ,第23,26,32番

『ゴイェスカス』が60分くらいかかるので,それと同じくらいの演奏時間ということで, 3つのベートーベン・ソナタにしました. 高い完成度を要求した場合,こっちの方が却ってキツイのですが, 会場が音楽ホールではなく,演奏中も人の出入りがある,ザワついたところなので, まあ,無難に終えることができました.

それで今日を迎えているのですが, 現在,12月の演奏イベントに向けて「リスト:スペイン狂詩曲」を準備しています.

リスト:スペイン狂詩曲

演奏に13分ほどかかる派手な曲です. 前半はフォリアで,後半はホタ(アラゴネーサ)というスペインの踊りからなっています. 前半のフォリアは変奏曲になっているのですが,主題は

リスト:スペイン狂詩曲

というように,嬰ハ短調(cis-moll)で書かれていて,どの変奏もまたcis-mollになっています.

この変奏の中に

リスト:スペイン狂詩曲

という部分があるのですが,この第2小節目のH音はHis音の間違いではないのか?と, この曲を知ったときからずっと思っていました. 実際,初めて聴いた録音では,His音になっていました. ところが,いくつかの録音ではH音のままです. 世界的にに有名なピアニストの演奏でも.

cis-mollなので,旋法を変えない限り,H音は音階に登場しないし, 主題ではここはドミナント(V和音)なので,なおさらです. 単なるプリントミスで「#」を書き忘れただけならいいのですが, このままH音でいいなら,きっと音楽理論的な理由があるハズなので,それを知りたいところです.

JUGEMテーマ:ピアノ

22:19 | 投稿者:スナフ|一般記事 | comments(0) | - | - | - |
2011.05.25 Wednesday

リストの年ということで・・・

昨年がショパンの生誕200周年ということで,ショパンの曲を中心に,というか,ほとんどショパンの曲しか弾かなかったのですが,今年はリストの生誕200周年ということで,リスト中心になっています.

2010年はシューマンの年でもありましたが,シューマンよりもショパンの方が遙に苦手意識を感じていて,せっかくだからその年に苦手意識を克服しようと思っていたのです.

リストというと,メジャーなのは「愛の夢」とか「ハンガリー狂詩曲」のいくつか,あと「ラ・カンパネラ」のような「練習曲」がいくつかあって, ちょっと大きめの作品だと「スペイン狂詩曲」や「ダンテを読んで」とか「ロ短調ソナタ」があります. で,6月下旬に演奏会があって,そこでリストを弾こうと思いました. 前々から目を付けていて,それでも機会がないというか,尻込みしていたというか・・・つまり手つかずだった作品があったので,この機会にそれに手を付けることにしました. 「孤独の中の神の祝福」,『詩的で宗教的な調べ』の第3曲です.

あまり有名ではなく,CDを聴いてみても,特別忙しいところもないので,当時は楽勝かと思っていましたが,実際やってみて,イキナリ挫折しました. それ以来,放置していたのです. 冒頭はこんな感じです.

右手でトリルとアルペジオの両方を弾かなければならなく,しかもオクターブ超え(9度以上)の音程が普通に出てくる. いくらテンポがそんなに速くないとはいえ,ちょっとツラい. なので,左のメロディーが長い音価ばかりなのをいいことに,それをペダルで響かせて, 左に余裕を持たせて,上段のアルペジオの一部を負担させるべく,左右の配分をあれこれ試しながら考えていました. でも,それをやっているうちに,結局

「(上段のトリル&アルペジオは)普通に右手1本で弾いた方がドタバタしなくて音楽的になる」

という結論に至り,譜面の上段&下段を,原則的に,それぞれ右手&左手で負担するという方針で練習を進めました.

自分に与えられた状態で,どうしてもムリがあるのは音程が10度を超えるところ:


(#×6,上段がト音記号で下段がヘ音記号)

で,下段Cis音にタイがかかっているのですが,音程が11度になり,届きません.でもその間に和音がV7^VからI^2に変わる(一時的にCis-durになっています)ので,ペダルでCisの響きを維持するというのは,ちょっとムリがあります.濁りますから. 10度届くのは恵まれているとは思いますが,このときばかりは「11度届く手が欲しい」と思いました.

トリルとアルペジオを片手で同時に弾くのは,この後左手で登場します.

この曲の難しさって,きっと前半にあるのだと思います. でも,知らない人が聴いたら,おそらく後半の速いアルペジオに難しさを見出すと思います. 静かな中間部から徐々に盛り上がり, 主題に戻りますが,左が高速な3連符になります.

アルペジオはさらに高速になります.

でも,こういうところって,普通に練習していれば,いずれ何とかなるところで,そんなに苦労しないんですよね. むしろ前半.でも前半は聴き手にその難しさが伝わりにくい.つまり報われにくい.

まあ,いいか・・・

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18:00 | 投稿者:スナフ|一般記事 | comments(0) | - | - | - |
2010.11.24 Wednesday

「個性」って?

先日「月刊ショパン12月号」を買いました.

月刊ショパン,2010年12月号

10月にワルシャワで開催されたショパンコンクールの特集です. これが目当てだったのですが,インタビューに興味があったのです. 受賞者はもちろんですが,審査員のが特に.

受賞者のインタビューから見始めたのですが, 1位,2位,3位くらいまでは本人も嬉しい嬉しいという感じなのですが, 4位,5位となるとちょっと言葉の端々に影が見え隠れしていたり, グチっぽくなったり, インタビュアーが妙に気を遣っていたりします. その中で印象的だった(というかショックに近かった)のが, 5位のデュモン氏のインタビューの本文中に, 最終結果が出た後に審査員の1人が氏に言ったセリフが載っていて,

「あなたは音楽を一番に持ってきていたから優勝できなかった」

とのこと. これを見てちょっと考えてみたところ・・・

 

 

 

・・・意味不明.

 

 

 

つまり,もっと上位に入賞していた人たちは, 音楽以外を一番に持ってきていたと・・・そういうことでしょうか. そこで気になるのが審査員へのインタビュー記事なのですが, 雑誌には10人の審査員に対するインタビューが載っていて,そのほとんどの人が, 今回のショパンコンクールに対して「個性」というのをキーワードっぽく扱っています. 「個性的な演奏が多かった」とか「日本人には,ファイナルに残れるほどの個性を持つ人がいなかった」とか.

はて・・・ここで「個性」というのはどういう意味で使われているのでしょうか.

唯一の日本人審査員である小山実稚恵さんのコメントに, (『日本人には何か絶対的なものがなかった?』という意の問に対して)

「感じたのは,譜面からショパンを見てしまうということです.
(中略)
心から湧くものを表現して欲しい. 『誰に何と言われてもいい!』というくらいの思いがあればこそ,なのかなと思います.」

というのがあるのです.

でも,4位のボジャノフ氏の演奏を「解釈がわがまま」と評している審査員もしますし ・・・なんだかダブルスタンダードに見えてきました.

養老孟司の本(タイトル忘れました)で, 「個性というのは解釈にあるのではなく身体的特徴にある」という件があるのですが, 医者らしいコメントです. 解釈がホントに個性的だったら,他の人には理解されない,理解されるにしても時間がかかります. 解釈は,本来あるべき姿というか,スタンダードであっても, それを表現する人の(ピアノの場合は)指の長さであったり, 指先の柔らかさ,筋肉の付き方,腱の強さによって,奏でられる音楽が変わってきます. 同じ楽器を弾いても人によって音色が全くことなることがあるのは,もちろん技術的なこともありますが, 奏者の身体的特徴に起因することが多いと思います.

歌の場合はもっと顕著です.声は一人ひとり違ってソックリにすることは できませんし,なにしろ身体そのものが楽器ですから.

まあ,この問題については,自分自身がまだ考えがまとまってなくて, いろんな意見を聞く度に「なるほど」と感心してしまう, つまり揺れてしまう状態なので,時間をかけてジックリ考えてみたいと思います.

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22:43 | 投稿者:スナフ|一般記事 | comments(1) | - | - | - |
2010.10.21 Thursday

ネット中継様様

ポーランドのワルシャワで開催された第16回ショパン国際ピアノコンクールが, (現地時間で)昨日全ての審査を終え,最終結果が出ました.

1位:Yulianna Avdeeva (ロシア)
2位:Lukas Geniušas (ロシア/リトアニア)
2位:Ingolf Wunder (オーストリア)
3位:Daniil Trifonov (ロシア)
4位:Evgeni Bozhanov (ブルガリア)
5位:François Dumont (フランス)
6位:該当者なし

オリジナルサイトは http://konkurs.chopin.pl/ です.

今回は, 10人のファイナリストのうち,半数がロシア勢だったことに驚き, 日本人参加者が全員,2次予選までで終わってしまったことを残念に思いました.

今回が前回までと違っていたのは,参加者の演奏をリアルタイムで観ることができたことです. 今までは,コンクールのプロセスはわからず,結果だけを知って, テレビの特番でダイジェストを観る程度でしたが, 今回は観ようと思えば,1次予選から本選までのすべての演奏を鑑賞できました. また,終わってしまった演奏であってもVideo archiveとして後から鑑賞できます. 時代は変わったものです.

ちなみに自分は,時差や仕事の都合で,リアルタイムではほとんど観られなかったですね. 1次予選は全滅,2次は1人か2人だったと記憶しています. 3次と本選は半分くらいです.

ですから今までは,結果を知っても「そうだったのか〜」と,そのまま受け入れていましたが, 今回は参加者の演奏を観ているので,自分の印象とのギャップがあることを実感しました. この結果というのは,本選の演奏のみで決まるのか,予選の得点?も付加されるのかわからないのですが, 自分自身の勝手な判断によれば, 本選の協奏曲で,一番オーケストラと一体化していたのは5位のデュモン氏だと思います. ソロでの演奏(つまり予選)を聴いた段階では,デュモン氏と同じくらい, 2位のゲニューシャス氏にも注目していたのですが, 本選の演奏では存在感がありすぎて,ソリスト : オケ = 2 : 1 か 3 : 1 になっていたように思います. デュモン氏は完全に 1 : 1 になっていると思いました.

1位のアヴデーエワさんの演奏は,リアルタイムでは聴き逃したので,これから鑑賞してみようと思います.

とにかく,ネット中継があったおかげで,今までより数倍以上,ショパンコンクールを楽しむことができました. さまさまです.


23:23 | 投稿者:スナフ|一般記事 | comments(0) | - | - | - |
2010.10.19 Tuesday

変化

現在開催されているショパンコンクールのネット中継を見るようになってから, ピアノ弾くのが楽しくてしょうがなくなりました. 別に今までつまらなかったわけではないのですが,ウチの狭い練習室で弾いているとき, 曲のホンの一部分を弾いているときですら,毎回毎回,新しい発見があります.

・・・すいません.「毎回」は言い過ぎです.ときどき新しい発見があります.

メカニズムがなんとかなるようになったとき,というよりは, それまでよくわからなく退屈になっていたところが何となく「こうなっているんじゃないのか?」と思ったときです. そういうときって,それまでどうすればわからなかったところの表現が自然に決まってきます. 目からウロコ状態です. 「自分がこうしたいから」というより「自然にそうなる」, 「素直に考えればそうなる」と言った方が適切かもしれません. 1回さらっただけですべてが判るわけではないので, 弾く度に少しずつ解明されていく感じで,だから毎回発見したような気になるのです.

もちろん自分の勘違いもあるので,素直に考えた結果が実は違ってたということも十分ありえますけどね・・・

今抱えているノルマは比較的メカニズムに余裕があるので,こういうふうに考えられるのかもしれません. 今一番キツイのはホ短調協奏曲の伴奏です. それに限らず,音追いかけるだけで精一杯となってしまう曲だと,カラクリが見えていても実現できない, 演奏には反映されないことの方が多いですからね. だから若い人で,11度届いて,指が強く,しかも速く正確に回る人を見ると羨ましくなることもあるのですが・・・無い物ねだりですね.

知人で,この類のことを極めている方がいて, 自分もそう考えられるようになりたいとは思うのですが,それは理想像で, 実際には自分に不足しているものがまだまだ多く,少なくとも今の段階では, これについても無い物ねだりです.


00:46 | 投稿者:スナフ|一般記事 | comments(0) | - | - | - |
2010.08.13 Friday

いろおんぷ

幼少,まだピアノを習いたての頃, 五線譜に書かれた音符と,その音名を覚えるために, 白地図のように白抜きになっている音符に自分で色を塗る練習帳のようなものがありました. 「ド」は赤,「レ」は黄色,・・・のようにドからシまで7色使って音符に色を付けることにより, それはカラフルな楽譜が出来上がりました. これにより,譜面上の音符を見たとき「ド」とか「レ」とか考えずに, 色により(感覚的に)音符と鍵盤とリンクさせることができるようになったのだと思います.

#このころはまだシャープやフラットは登場していないので,これで十分でした.

さて,来月上旬の演奏会で「ショパン:舟歌作品60」を演奏する予定です.

ショパン:舟歌

この曲に出会ったのは,高校生の頃だったと思います. 譜面を見てわかる通り,#だらけの曲で,音を掴むのが大変でした. 当時,あまりにもシャープが多いので,幼少の頃の教本を思い出してか,

「シャープがつく音符には色を塗ろう」

と思い立ち,近くにあった黄緑色の色鉛筆で#のつく音符すべてを色づけてみました. するとほとんどが黄緑になってしまい,逆に#がつかない音符が判らなくなってしまったので, 何もつかない音は黄色で区別することにしまいした. すると,当時使っていたのは全音のピース版の冒頭部分は

ショパン:舟歌色つき1

のようになりました. 以降,地味な作業を続けていたのですが, 曲がそこそこ長いため,途中で「もうやめようか」とも思ったのですが, 高校生ながら変にガンコなところがあったせいか,最後までやり遂げました. 曲のクライマックス部分は

ショパン:舟歌色つき2

となりましたけど・・・ まあ,当時この作業が功を奏したのか,譜読みはかなりラクになったように記憶しています. 他人にはあまりお勧めできない方法ですね.

#ダブルシャープは緑で塗ることにしていました.

大学生の頃,ちょっとだけ弾いていた時期があったように思いますが, 事実上今まで放ったらかしになっていました.

約20年経った今年, ショパンのメモリアルイヤーということで, 久しぶりにこの曲と対面しました. 20年経っても曲は変わらないハズなのに,違って見えます. 20年で変わったのは自分の方ですね. 高校生の頃に比べれば,曲の中身について多少は考えるようになっていると思うので, 当時よりはマトモな演奏を目指したいと思います.


12:47 | 投稿者:スナフ|一般記事 | comments(0) | - | - | - |
2010.04.16 Friday

アーティキュレーション

今年はショパンの生誕200周年ということで,数年ぶりにショパンの曲をいろいろ手がけているのですが, 譜面上,以前は気にしていなかったところがヤケに気になるようになってしまいました. それは,タイトルにあるように,ズバリ「アーティキュレーション」です. 特に「スラーのつながり方」です.最近まであまり気にしないで済んだのは, 数年間ショパンはマトモに取り組んでいなかったのと,それ以外の作曲家の楽譜に書かれているスラーが, すごく素直な感覚で同意できるもので,違和感を覚えなかったからです.

昨年主に弾いていたシューベルトは,やはり歌曲王と言われるだけあって, 曲のメロディーは歌なんですよね. だからメロディーにつけられたスラーは人間が歌うときの自然な呼吸とほとんど一致していると思います. アルベニスはメカニズム的に余裕がなかったせいか,そこまで気に出来なかったのかもしれません.

ところが,ショパンに手をつけてみると,曲につけられたスラーには, どこか違和感を感じるものがあって,故井上直幸氏の「ピアノ奏法」というDVDでは, モーツァルトを指して

「この人,なんか難しいこと言ってんのよね.」

とコメントされていますが,それと同じような印象を持ってしまうのです.

#このDVDは,この人のキャラが面白くて,今でもちょくちょく観ることが多いのですが・・・

ピアノでメロディーラインをなぞるとき, 私が小学生の頃バッハの曲に対しておっかない師匠からも言われていたように,

順次進行ではスラーでつなげて,跳躍するときは切る.

というのが感覚に合うように思います. ところが,現在練習しているショパンのピアノ協奏曲ヘ短調の第3楽章の冒頭に

ショパン:ピアノ協奏曲作品21第3楽章その1
(ヘ短調,♭×4,上段がト音記号,下段がヘ音記号)

という箇所があるのですが,1小節目上段「F↑F↓E↓Es」について「F↑F」の1オクターブ跳躍にスラーがつき, 「F↓E」の半音の順次進行ではスラーが切られています. スラーが付いている部分をカッコでくくると, 素直な感覚だと「(F)↑(F↓E↓Es)」というアーティキュレーションになると思うのですが, どうも違和感を覚えます.

「順次進行と跳躍」とは違いますが,同じ音型でもアーティキュレーションを変えているのです.

ショパン:ピアノ協奏曲作品21第3楽章その2
(調性は上の譜例と同じ)

1回目は「(C↓As)↓(D↑F↑G↓F↓Es)」となっていますが, 2回目は「(C↓As↓D↑F↑G↓F↓Es)」と,全体がスラーでつながっています.

もっと以前から気にするべきだったかもしれませんが, 一旦こういうことを気にし始めるとノイローゼになりそうです.

もっとも,自分は「楽譜絶対主義」ではないので, 自分の主張が強ければ譜面の指示にとらわれることはないのですが, 今の段階では,譜面に書かれているものより説得力のある表現を見出せていません. つまりツッパらずに譜面をそのままなぞることしかできないのですが・・・

あと,ショパンの楽譜は,厄介なことに, 出版社によっては音もアーティキュレーションも全く異なることがあります. 来週演奏予定のショパン:ワルツ作品69の2の最初の方で,ネットでダウンロードした譜面だと

ショパン:ワルツ作品69の2その1

と,最初の2小節の上段は「(D↓Eis)↑(D↓E)↑(Cis・・・」となっているのですが, 自分がもっているPetersの楽譜だと,この部分は「D↓(Eis↑D)↓(E↑Cis)」となっています. 他のは調べていませんが,きっとまた別のアーティキュレーションになっている可能性大です.

そうなると「どの(出版社の)楽譜がいい?」となるのですが, 巷ではパデレフスキー版やエキエル版がと言われていますが, 実際には多くのピアニストは,いろんな楽譜を総合的に見て「自分で判断して」決めているようです. 前回のショパンコンクールでも,使っている楽譜はコンテスタントによってまちまちでした. この回のとき「エキエル版を推奨」とか言われたため,日本人参加者の多くはエキエルにしたようです. 日本人はこの手の規則に従順なようです.

さて,自分ですが,今のところ楽譜に書かれているよりいい解釈を持ち合わせていないので, とりあえず従ってみることにしています. もっと練習を重ねていくうちに「こうした方が自分の主張に合う」というものが出てくるかもしれません. バチ当たりは承知の上ですけどね.

(注) 「2度」の音程で旋律が流れること.例えば『ド』から次の『レ』,『ミ』から次の『ファ』.

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18:35 | 投稿者:スナフ|一般記事 | comments(0) | - | - | - |

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