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2014.04.18 Friday

ベートーベン:ピアノソナタ第24番 嬰ヘ長調 op.78

1ヶ月以上先のことですが, 知人が開催するサロンコンサートで「ベートーベン:ピアノソナタ第24番 嬰ヘ長調 op.78」を演奏することになりました。

この曲は全2楽章からなるコンパクトなソナタで,繰り返しなしで弾くと10分かかりません。 とはいえ,メカニズム的にはゴマカシがほとんど効かなく, その人が持っている技量・音楽性が露呈される可能性が高いです。 つまり「演奏時間が短く,その人の演奏能力が現れる」ということで, コンクールの課題曲になることもしばしばあります。

だからといって, そういう学習向けの範疇に留まらせるにはあまりにももったいないくらい魅力的な曲なので, コンサートという場で弾いてみようと思ったのです。

コンクールや試験の採点なんか関係ないからといって, 何も考えずに好き勝手弾くのも気が引けるので, ちょっと譜面を見渡してみたわけですが, 第1楽章提示部でイキナリ,解らん箇所が登場しました。

B24H

第25,26小節のところです。 もともとは嬰ヘ長調(Fis-dur)ですが, ここは第2主題で属調(嬰ハ長調,Cis-dur)になっています。 下段は「ナポリ調のV和音」と見なすことができますが, 上段はFisisがあるので,おそらく重属和音(V度調のV和音,ドッペルドミナント)と考えられます。 つまり,上段と下段(この場合は右手と左手)で,鳴らしている和音が違うのです。

和音が違うといっても, 鍵盤上では「Fisis=G」ですから, 気にしなければそれまでなのですが, 和音の種類を考えると,どう考えて表現すべきか迷ってしまうのです。

これはヘンレ版の楽譜ですが,初版を見てみても・・・

B24F1 B24F2
(初版)

のように,FisisとGが使い分けられています。 実際の手稿譜でも・・・

B24O
(手稿譜)

のように同様です。 ところが,ブライトコフやドーバーを見ると・・・

B24B
(ブライトコフ)

B24D
(ドーバー)

のように,GがFisisに編集されて(書き換えられて)います。 以前,練習に使っていたペータース(アラウ)版は「原典」ということだったのですが,

B24P
(ペータース:アラウ)

となっていて,全音でも

B24Z
(全音)

となっています。

確かに,上下段ともFisisであれば, ここは「重属和音の下方変位」で決まりなので, 表現にここまで悩むことはないのですが, 手稿譜でGとなっている以上, ここにはそうなっている理由があるのでしょう。

前半のたった2小節でこれだけ時間を費やすのですから,先は長そうです。 間に合うかな・・・


12:00 | 投稿者:スナフ|一般記事 | comments(1) | - | - | - |
2014.04.16 Wednesday

バッハ 再び

1年以上前にもバッハ関連のことを書いていたのですね・・・

いろんな作曲家の音楽を奏でてきたつもりですが, 1人の人間が一生の間に演奏できる曲数なんて, 音楽全体から見れば微々たるものです。 ですので,後悔しない選曲をしたいものです。

中学/高校生や大学生の頃は, ショパンやリストのような華やかなものに惹かれました。 昨年は印象派の音楽にも手を付けたりして・・・

それが最近,バロックや古典派の作品に戻ってきました。 古典はともかく,バロックといっても「対位法の曲」なので,当時の流行からは遅れたものですが・・・

話には聞いていましたが,やはりここに戻ってくるのでしょうか。

「バッハ;平均律」と「ベートーベン:ソナタ」

それぞれ,ピアノ音楽における「旧約聖書」と「新約聖書」と呼ばれているものです。


12:00 | 投稿者:スナフ|一般記事 | comments(0) | - | - | - |
2012.11.05 Monday

基本はバッハ

すっかり更新を怠ってしまいました。 約1年ぶりです。

最近主に練習していたのは「バッハ」の作品でして, つまるところ,対位法の曲をしっかりやっておこうと思ったのです。

世間で演奏されることの多い,ベートーベンなどの古典派や, ショパン,リストなどのロマン派の作品のほとんどは「和声法」に基づいて作曲されています。 この類の曲では,音の縦のつながり(和音),ベース音が音楽の流れを決定しています。 「メロディー+伴奏」のホモフォニーになっているところが多く, つまり,メロディーとベース音がちゃんとしていれば,それっぽく聞こえます。

対位法の作品の場合,同時進行している複数の旋律は原則的に対等で, テーマ(モチーフ)がホンの少しだけ出しゃばる感じです。 ですので,同時進行している複数の旋律を聴き分け,音量の配分や音色に気を配ることが必要になります。

バッハの作品の多くは対位法に基づいて作られていますが, 和声法の要素も少なくありません。

調性の変わり目(転調)も同様に重要となります。 ですから,旋律が進行している最中でも調の変わり目を意識する必要があります。 それまでの調性には存在しない(和声)音が登場するところです。 もちろん,これは古典派以降の(調性)音楽でも同じですけど。

・・・こんな感じでウダウダ練習していたのです。

古典派以降の作品でも,ちょっと凝った曲になると, 大抵対位法の要素も混じっていて, そういうところをちゃんと聴き分け,それぞれのラインを適切に表現する必要があるので, バッハを練習しておこうと思ったのです。

JUGEMテーマ:ピアノ

08:00 | 投稿者:スナフ|一般記事 | comments(0) | - | - | - |
2011.11.09 Wednesday

リスト:スペイン狂詩曲

すっかり更新を怠ってしまいました. 約半年ぶりです. 前回が5月下旬で,これまでの間,全く音楽活動をしていなかったわけでもないので, 公の場で演奏した曲について書こうかと思います.

6月の演奏会で弾いたのは,1つ前の記事にある「リスト:孤独の中の神の祝福」で, まあ,なんとか無事に演奏を終えました. この曲は,前半さえ何とか乗り切れば,メカニズム的にきつくなるところはほとんどないので, 表現することに専念できました. 楽器がベーゼンドルファーで,以前ちょっと苦手意識があったのですが, 派手な曲ではないので,特に問題ありませんでした.

つい前日まで,大きな演奏イベントがあり, そこで「グラナドス:組曲『ゴイェスカス』,全6曲+わら人形」を弾くつもりでいたので, 9月の演奏イベントでは,その中の1つ「第5曲:愛と死」を弾きました. あまり練習時間を確保できなかったためか, 本番,足が地に着いてない感じがしてフラフラして,結構音を外しました. ベース音を外すと響きが大きく壊れてしまうのですが,やらかした感が強かったです.

11月の『ゴイェスカス』ですが,他にも弾く曲があり, 結局準備がままならないということで, 急遽変更せざるを得ませんでした. で,何にしたかというと・・・

ベートーベン:ピアノソナタ,第23,26,32番

『ゴイェスカス』が60分くらいかかるので,それと同じくらいの演奏時間ということで, 3つのベートーベン・ソナタにしました. 高い完成度を要求した場合,こっちの方が却ってキツイのですが, 会場が音楽ホールではなく,演奏中も人の出入りがある,ザワついたところなので, まあ,無難に終えることができました.

それで今日を迎えているのですが, 現在,12月の演奏イベントに向けて「リスト:スペイン狂詩曲」を準備しています.

リスト:スペイン狂詩曲

演奏に13分ほどかかる派手な曲です. 前半はフォリアで,後半はホタ(アラゴネーサ)というスペインの踊りからなっています. 前半のフォリアは変奏曲になっているのですが,主題は

リスト:スペイン狂詩曲

というように,嬰ハ短調(cis-moll)で書かれていて,どの変奏もまたcis-mollになっています.

この変奏の中に

リスト:スペイン狂詩曲

という部分があるのですが,この第2小節目のH音はHis音の間違いではないのか?と, この曲を知ったときからずっと思っていました. 実際,初めて聴いた録音では,His音になっていました. ところが,いくつかの録音ではH音のままです. 世界的にに有名なピアニストの演奏でも.

cis-mollなので,旋法を変えない限り,H音は音階に登場しないし, 主題ではここはドミナント(V和音)なので,なおさらです. 単なるプリントミスで「#」を書き忘れただけならいいのですが, このままH音でいいなら,きっと音楽理論的な理由があるハズなので,それを知りたいところです.

JUGEMテーマ:ピアノ

22:19 | 投稿者:スナフ|一般記事 | comments(0) | - | - | - |
2011.05.25 Wednesday

リストの年ということで・・・

昨年がショパンの生誕200周年ということで,ショパンの曲を中心に,というか,ほとんどショパンの曲しか弾かなかったのですが,今年はリストの生誕200周年ということで,リスト中心になっています.

2010年はシューマンの年でもありましたが,シューマンよりもショパンの方が遙に苦手意識を感じていて,せっかくだからその年に苦手意識を克服しようと思っていたのです.

リストというと,メジャーなのは「愛の夢」とか「ハンガリー狂詩曲」のいくつか,あと「ラ・カンパネラ」のような「練習曲」がいくつかあって, ちょっと大きめの作品だと「スペイン狂詩曲」や「ダンテを読んで」とか「ロ短調ソナタ」があります. で,6月下旬に演奏会があって,そこでリストを弾こうと思いました. 前々から目を付けていて,それでも機会がないというか,尻込みしていたというか・・・つまり手つかずだった作品があったので,この機会にそれに手を付けることにしました. 「孤独の中の神の祝福」,『詩的で宗教的な調べ』の第3曲です.

あまり有名ではなく,CDを聴いてみても,特別忙しいところもないので,当時は楽勝かと思っていましたが,実際やってみて,イキナリ挫折しました. それ以来,放置していたのです. 冒頭はこんな感じです.

右手でトリルとアルペジオの両方を弾かなければならなく,しかもオクターブ超え(9度以上)の音程が普通に出てくる. いくらテンポがそんなに速くないとはいえ,ちょっとツラい. なので,左のメロディーが長い音価ばかりなのをいいことに,それをペダルで響かせて, 左に余裕を持たせて,上段のアルペジオの一部を負担させるべく,左右の配分をあれこれ試しながら考えていました. でも,それをやっているうちに,結局

「(上段のトリル&アルペジオは)普通に右手1本で弾いた方がドタバタしなくて音楽的になる」

という結論に至り,譜面の上段&下段を,原則的に,それぞれ右手&左手で負担するという方針で練習を進めました.

自分に与えられた状態で,どうしてもムリがあるのは音程が10度を超えるところ:


(#×6,上段がト音記号で下段がヘ音記号)

で,下段Cis音にタイがかかっているのですが,音程が11度になり,届きません.でもその間に和音がV7^VからI^2に変わる(一時的にCis-durになっています)ので,ペダルでCisの響きを維持するというのは,ちょっとムリがあります.濁りますから. 10度届くのは恵まれているとは思いますが,このときばかりは「11度届く手が欲しい」と思いました.

トリルとアルペジオを片手で同時に弾くのは,この後左手で登場します.

この曲の難しさって,きっと前半にあるのだと思います. でも,知らない人が聴いたら,おそらく後半の速いアルペジオに難しさを見出すと思います. 静かな中間部から徐々に盛り上がり, 主題に戻りますが,左が高速な3連符になります.

アルペジオはさらに高速になります.

でも,こういうところって,普通に練習していれば,いずれ何とかなるところで,そんなに苦労しないんですよね. むしろ前半.でも前半は聴き手にその難しさが伝わりにくい.つまり報われにくい.

まあ,いいか・・・

JUGEMテーマ:ピアノ

18:00 | 投稿者:スナフ|一般記事 | comments(0) | - | - | - |

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